ACTRESS(アクトレス)とは、日本語では「女優」の意味。女優は、“女性の俳優”のこと。(俳優とは、演劇・映画・TVドラマなどにおいて、その人物に扮して台詞、身振り、表情などで演じる人のこと。表現者。また、その職業。役者(やくしゃ)とも呼ばれる。)俳優や女優の「優」は、“芝居を職業とする人”という意味で使われている。
日本では、古くは、神事に奉仕した巫女があり、その後、歌舞伎などが盛んであったが、江戸時代に、江戸幕府によって禁止された。(1629年、遊女歌舞伎が禁じられた。)こうして、江戸時代では、役者は男性(俳優)のみとなった。(西欧でも、古代ギリシア劇の時代〜ルネサンス期にかけての演劇でも、女優の存在は公認されておらず、男性の俳優を中心に演劇は行われていた。女性の社会的地位の低さが影響していたのであろう。この時代、女性の役柄も男性が演じていた。)その後、明治時代になり、西欧近代劇が開花し、“女性の俳優”が登場した。ここで、男性の「俳優」と異なる名称が必要となり、「女優」という言葉が生まれた。英語では、actor(俳優)、actress(女優)という言葉があったため、これに対応させて、「女優」と表現したものと思われる。(イタリアのルネサンス以降、即興仮面喜劇コメディア・デラルテにおいて女優が登場し、女性役を女性演技者が演じることの意義が認められ、女優が確立していった。)
明治時代、森鷗外の小説「舞姫」(1890年)に「女優」が登場する。
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そして、1891年11月、日本の公認の舞台では、初めて女優が登場した。東京・浅草吾妻座での新派劇の済美館公演『政党美談淑女之操』での千歳米坡(ちとせべいは)である。1911年には、松井須磨子が『人形の家』のノラを演じ、日本近代女優の第一号と称される。その後、築地小劇場に、田村秋子、山本安英、東山千栄子、杉村春子らの女優が登場。日本の女性解放運動とともに、女優が躍進。現在では、女優の活躍は目覚しく、女優を中心に展開されるドラマが多い。
女優の仕事には、大きく分けると、「舞台」と「映像」の二種類がある。「舞台」での女優の仕事は、主に劇場で行われ、観客が観覧している場で演技する。1回勝負なので、演技やセリフを間違えることができない。演技力が必要とされるので、実力をつけるためにも重要だ。一方、「映像」での女優の仕事は、シーンごとに撮影した映像を繋いで作品にする。ミスをした場合、撮り直しは可能である。シーンごとのカットを取るので、瞬間的に良い演技をすることが求められる。
<ACTRESS・読み方 >
(米国英語)æktrəs
(英国英語)aktɹəs
actressの複数形は、actresses。
ちなみに、actorの意味は「俳優」。actorとactressの違いは、actorは“男性の俳優”(男優)で、actressは“女性の俳優”(女優)。ただ、最近では、gender neutral(性の区別をしない)表現も広まっており、女性の俳優でも”actor”と名乗るケースも増えている。actress は、女性の俳優にだけ使うことができ、actor は男性にも女性にも使える。
<英語での例文>
「彼女は、女優です。」
>>> She’s an actress.
「彼女 は 女優兼モデル です。」
>>> She is an actress and model.